動画配信はどう変わる!?ディズニーの21世紀フォックス買収の影響
更新日:2017/12/16
ウォルト・ディズニー(ディズニー)が大手メディアの21世紀フォックスを買収するというニュースが最近発表(米国時間12月14日)されましたが、ディズニーは動画配信サービスのHulu(フールー)の経営権を同時に取得する事になります。
買収総額は524億ドル(約5.9兆円)というとてつもない金額で、フォックスの負債を含めると661億ドル(約7.4兆円)に登るとの事です。
さすがに天下のウォルト・ディズニーと嘆息してしまいますが、もう一つ気になる事はディズニーが自社ブランドの独自動画配信サービスを立ち上げると意思表明をしている点。
この合併によって、Netflix(ネットフリックス)やAmazonなどのデジタル事業大手との競争が激化する事は間違いない事と思われます。
もっとも、この買収が実現すれば、ディズニーはアメリカ映画市場の約3割を占めることになるため、アメリカ当局が買収を承認するかどうかは課題として残っています。
動画配信サービスの勢力図はどう変わる?
動画配信サービスは、Huluを始め、U-NEXT、アマゾン、Netflixなど多くの会社がしのぎを削っていますが、この買収劇が我々動画配信サービス利用者にとってどう影響があるのか関心あるところです。
特に、Huluの利用者、そのライバルであるNetflixユーザーは今後の成り行きが気になるところでしょう。
というのも、21世紀フォックスの買収に先駆け、昨年8月にディズニーはNetflixとへの提供契約を打ち切ると発表しているからです。
先ほど述べたように、ディズニーは独自の動画配信サービス立ち上げへ向けて着々と準備を始めているのです。
2019年から始まるディズニーブランドの配信サービスは、ディズニーはもとより、『トイストーリー』『カーズ(Cars)』で知られるPixar(ピクサー)の映画やテレビ番組を提供する予定とのこと。
新作の『トイ・ストーリー4』、『Frozen(原題、「アナと雪の女王」の続編」)、世界的歌姫ビヨンセが声優として登場すると話題になった実写版『ライオンキング』などが配信されるという事です。
今のところ、この新動画配信サービスはVOD(ビデオオンデマンド)の有料サービスを意図している模様です。
アベンジャーズ、スターウォーズに加え、X-Men、Deadpool(デッドプール)もディズニーへ
photo by スター・ウォーズ特集 | Hulu
ご存知の通り、ディズニーはアメコミのマーベル(Marvel)ブランドを持っていますが、アイアンマンでお馴染みの『アベンジャーズ』シリーズに加え、21世紀フォックスが所有する『X-MEN』シリーズも傘下に収める事になります。
更に、『スターウォーズ』シリーズも手の内にありますので、まさにディズニーの一人勝ち状態になるのかも知れません。
Huluのラインアップはどう変わる?
Thank you to the best fans in the universe for making Marvel Studios’ "@Avengers: #InfinityWar" the most viewed trailer of all time with 230 million views in 24 hours! ?? pic.twitter.com/aLP7teroBe
? Marvel Entertainment (@Marvel) 2017年11月30日
Huluの経営権を手に入れたディズニーは、今後Huluに対して更に「多くのコンテンツを提供」できるようになります。
ディズニーの最高経営責任者(CEO)、ボブ・アイガー氏のコメントによれば;
引用:「Huluがより大人向けの番組を提供し、計画されているDisneyブランドのサービスはDisney、Pixar、Marvelなどの家族向けコンテンツを提供していく可能性を示唆」
by-japan.cnet.com
しており、今後の住み分けがどう変化するのか気になるところです。
まとめ
これまで説明してきたことは、すべてアメリカでの動きで日本のHuluへの影響はまだ不明です。
ディズニーが日本でも自社ブランドの動画配信サービスを開始するのかどうかもわかっていません。
ちなみに、Hulu Japan(フールー・ジャパン)は日本テレビの子会社で、アメリカのHuluも株主として資本参加しています。
今回のHulu経営権取得でディズニーは発言権を増すことになり、日本でのコンテンツ配信戦略がどうなっていくのか注目です。
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